新年のあいさつ

東日本国際大学附属昌平高等学校
校 長  唐木 義則

新年明けましておめでとうございます。
世界的に見れば、新型コロナウイルスが再び感染を拡大しつつあります。3年ほど前には存在しなかった困難が、私たち人類を脅かし続けているのです。社会環境が激しく変化して予測困難になる現代の状況は、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って「VUCA(ブーカ)」と呼ばれています。皆さんの生きていくこれからの時代は、「VUCA」の度合がますます強まり、予想もできなかったような困難に次々と見舞われるものと考えられています。
では、この「VUCA」の時代を、どのように生き抜いていけばいいのでしょう。その焦点は人間の「心」にある。私はそう考えております。
次々と襲い来る困難に、どのような「心」で向き合っていくのか。予想外の困難から逃げようとする臆病の「心」なのか。失敗して絶望する諦めの「心」なのか。たとえ何度失敗しても立ち上がろうとする不屈の「心」なのか。洋々と未来を切り拓きゆく希望の「心」なのか。困難に際して千変万化する人間の「心」の在りようは、千差万別の結果となって現れてくるに違いありません。ゆえに、この「VUCA」の時代こそ、人間の「心」に焦点を当てねばなりません。私たち一人一人の「心」の力の飛躍的な成長が求められているのです。
 建学の精神である修為要領17カ条を学ぶ理由もここにあります。「自信を厚うすべし」「独立の心を強くすべし」「誠実なるべし」「勇敢なるべし」「労苦に勝つべし」「心を専一にすべし」。これら全ては、皆さんの「心」の力を鍛え伸ばすための大切な指針です。皆さんのなかには、若くして人生の試練に見舞われている人もいるかもしれません。どうか、これら修為要領の一節一節を胸に刻み、強い「心」で試練を乗り越えていただきたいと願ってやみません。
最後に、生徒の皆さん、ご家族の方々にとって、健康で明るく希望に満ちた年になりますように心から念願し、新年の辞とさせていただきます。

令和4年元旦