新年のあいさつ
東日本国際大学附属昌平高等学校
校 長 唐木 義則
新年明けましておめでとうございます。
昨年、非常事態宣言を発出した新型コロナウイルス感染の拡大は、令和3年を迎えても先を見通すことができず不安を拭えない日々が続いています。国内での感染者は18万人、亡くなられた方は3000名になろうとしています(12月18日現在)。世界での犠牲者は160万人を超えるなどしていて、活動の自粛や制限を余儀なくされたままです。
このような状態の中で、イスラエルの著名な歴史家、ユヴァル・ノア・ハラリ氏は「真の敵はウィルスではなく、人間の心に宿る悪、つまり憎しみ・無知・強欲だと私は考える」
そして、「私たちは心に宿る善、共感、英知、利他で対処すべきです。弱者をいたわり・・・世界で協力する」(読売新聞令和2年11月22日)と述べています。
「自分だけがよければいい」「自分のことしか考えていない」という利己的・自己中心的な考えや欲望がウィルスを蔓延させ感染を広げていることも確かです。
しかし人間は、他者に共感したり弱者をいたわったりするなどの「人によかれ」と考える「利他の心」があります。周りの人のことを考え、思いやりに満ちた利他の心に立って行動すれば、視野も広くなり正しい判断ができ、感染拡大に対処できると思います。
また、私たちは建学の精神である「修為要領17条」を通して「心こそ大切なれ」を学んでいます。今こそ人間力を高め、激動する社会に対応しながら、「人々が、美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育ち、明日への希望に花を大きく咲かせることができるとの意味が込められた令和」の3年目を、一人一人が明日への希望に大きな花を咲かせるとの決意で出発しましょう。
生徒の皆様、ご家族の方々、そして教職員の皆様にとって健康で明るい年になりますように心からお祈りいたします。
令和3年元旦